親父はミズノ至上主義だった。7メーカーを履いてきた僕のスパイク選び

野球

子どもの頃、野球道具といえばミズノだった。

グローブもバットもスパイクも、とにかくミズノ。親父はミズノ至上主義だったのではないかと思う。

ミズノはトップアスリートにも選ばれるメーカーだ。親父にしてみれば「ミズノを買っておけば安心」ということだったのだろう。

でも、長く野球を続けていると、いろいろなメーカーの道具を使ってみたくなる。特にスパイクは、そんな好奇心をくすぐる道具の一つだった。

革スパイクが当たり前だった頃

毎日白球を追いかけていた頃、自分たちの周りでは革製のスパイクが当たり前だった。雨の日には樹脂製のスパイクを使う。そんな使い分けをしていた記憶がある。

それが当時の野球界で一般的だったのかは分からない。少なくとも自分の周りではそうだった。

今では軽量な人工皮革や合成素材を使ったスパイクが数多く販売されている。金属歯を禁止する大会や施設の話も耳にするようになった。アッパーの素材と靴底の歯の種類は別の話だけれど、スパイクを取り巻く環境も変わったものだと思う。

それでも、自分は今でも金属スパイクのグリップ感が好きだ。地面をしっかり捉える、あの独特の感覚。樹脂ポイントが劣っていると言いたいわけではなく、慣れ親しんだ感触が自分にはしっくりくる。

昔はスパイクに足を合わせていた

昔のスパイクを思い返すと、今の製品とは軽さもクッション性もずいぶん違う。今のスパイクは、足の形さえ合えば、昔より格段に性能が良くなっているように感じる。

何より変わったのは、選び方かもしれない。昔は、買ったスパイクに自分の足を合わせていたような感覚があった。多少窮屈でも、そういうものだと思って履いていた。

今は違う。自分の足に合う形やサイズを選べるし、インソールなどでフィット感を調整する方法もある。どんなスパイクでも加工すれば合うわけではないが、道具の方を足に近づけられる選択肢が増えたのは大きい。

昔の金属スパイクの感触は今でも好きだ。でも、昔の製品の方が優れていたとは思わない。道具が進化したおかげで、野球はもっと快適に楽しめるようになったのだと思う。

量販店で見かけないメーカーが輝いて見えた

親父が信頼していたミズノ。でも、野球道具に興味を持つようになると、定番とは違うメーカーにも目が向いた。

サンアップ、久保田スラッガー、玉沢。量販店ではなかなか見かけないメーカーの道具が、妙に輝いて見えた。

性能が優れているかどうかというより、見慣れないロゴや独特のデザインに惹かれたのだと思う。

今では、毎日野球をしていた頃には珍しかったメーカーの製品も売り場に並んでいる。昔からの定番には安心感がある一方、知らなかったブランドを見つけると今でも気になる。

気がつけば7メーカーのスパイクを履いていた

これまで履いてきたのは、SSK、ミズノ、サンアップ、アシックス、デサント、ナイキ、ニューバランス。少なくとも7メーカーになる。

それぞれのモデル名や細かな仕様まで覚えているわけではないけれど、履いてきた経験から感じることはある。

自分の足は幅広で甲高。振り返ってみると、ミズノとデサントは比較的足に合っていたように思う。普段どおりのサイズで履くことができた。

同じメーカーでもモデルによって違いはあるだろうが、サイズ選びで悩まずに済むのはありがたい。

ニューバランスは2足買った。でも……

一方、ニューバランスは少し事情が違った。幅広・甲高の自分の足には、なかなかしっくりこない。ワンサイズ上げれば何とか履けるものの、今度は踵のホールド感が気になる。

それなのに、ニューバランスはこれまでに2足購入している。理由は単純で、流行りに流されてみたかったからだ。

足に合うメーカーが分かっていても、気になるスパイクがあれば履いてみたくなる。無理をして足に合わないものを履くつもりはないが、流行りに乗ってみるのも悪くない。

コンマ1秒を争う世界ではないからこそ

スパイクの重量、グリップ力、フィット感はプレーに関わる。真剣に競技に取り組む選手ほど、細かな違いが気になるだろう。

勝利を目指して日々練習している選手なら、性能を突き詰めて選ぶ意味も大きい。

でも、今の自分は草野球を楽しむ立場だ。試合になれば勝ちたいし、いいプレーだってしたい。ただ、コンマ1秒の違いで結果が大きく変わるような世界で野球をしているわけではない。

それなら、好きなデザインを楽しむのもいいと思う。好きなメーカー、カラー、形。新しいスパイクを履いてグラウンドに立つだけで、少し気分が上がることもある。

足に合っていて、安全にプレーできることは外せない。そのうえで、自分が気に入った一足を選びたい。

結局、ミズノに戻るのかもしれない

今でも新しいスパイクを見ると気になる。昔は見かけなかったメーカーや、これまで履いたことのないデザイン。そんな製品を見つけると、つい試したくなる。

でも、いつか新製品にアンテナを張り巡らせなくなる日が来るかもしれない。

そのとき、自分が選ぶのはミズノなのかもしれない。子どもの頃、親父がそうしていたように。

いろいろなメーカーを履いて自分なりに選んできたけれど、最後に戻るのは「ミズノを買っておけば安心」という、親父から受け継いだ感覚なのかもしれない。

もっとも、今はまだ新しいスパイクが気になる。次はどんなメーカーを履いてみようか。しばらくは、そんな寄り道を続けそうだ。

タイトルとURLをコピーしました